正しく使って早く治す!ステロイド軟膏の効果を知ろう

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アトピー性皮膚炎を始めとする炎症性の皮膚疾患治療に使われることが多い「ステロイド」。

副作用がひどい、だんだん効かなくなるといったよくないイメージが強いという人も多いかもしれませんね。

実は筆者もその一人。

「あまり使いたくない」という思いから、処方を断ったこともあります。

しかし、最近では特にかゆみや腫れを伴う皮膚炎やニキビにも積極的に使われていることをご存知でしょうか。それは、ステロイドで症状を抑えて早く治してしまう方が結果的に肌に負担をかけずにすむという考え方に基づいているのです。

正しく使って早く治す!ステロイドの効果を知ろう

ステロイドは腎臓の上にある副腎の、副腎皮質から分泌されるホルモンです。

その働きは抗炎症作用と免疫抑制作用の二つ。

抗炎症作用とは読んで字のごとく、炎症を抑える働きのことです。

体の内外で組織が傷つくと、赤くなったり熱を持ったり、むくみや痛みなどが起こりますよね。これらの原因を排除し、傷んだ細胞を取り除いてくれるのです。

そして免疫抑制作用は免疫反応を抑えるもの。

人間には外部から体内に侵入した細菌や異物を処分したり排除する働きがあります。

例えば、傷が化膿すると腫れて痛み、膿が出るのも免疫反応の一つ。異物が侵入すると白血球が増加して排出しようとします。その結果できる残骸が膿というわけ。

また、がん細胞は実は毎日数千個も産まれているけれど、やはり免疫作用によって処分されているというのは有名な話ですよね。

しかし、それほど人間にとって重要な免疫作用も、過剰に働きすぎると今度はアレルギー反応となって不利益をもたらします。

近年国民病とも言われるほど多くの患者が悩まされている花粉症はその代表格でしょう。

くしゃみや鼻水、蕁麻疹といった症状は、本来無害なスギなどの植物の花粉や食物の成分を「有害である」と体が認識して、排出を促そうとして起こるのです。

ステロイドにはこうした症状を緩和してくれますが、長期に亘って使用すると正常な免疫作用まで抑制してしまい、ちょっとした風邪でも悪化しやすくなるため、なるべく短期間に留めるのが望ましいとされています。

ただし、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に塗り薬として処方されるものに関してはそこまで免疫が抑制されるようなことはありません。医師の指示に従って使用するようにすれば、まず問題ないでしょう。

ステロイド軟膏によるニキビ治療の流れ

では、ニキビの治療にはどうでしょうか。

基本的にステロイドによって肌の自浄作用までが抑制され、アクネ菌が増殖してニキビができやすくなる(ステロイドニキビといいます)ことから皮膚科では処方しないことが多いようです。

しかし、赤ニキビのように炎症を起こしている場合には、最小限のステロイドでまず炎症を抑え、内服薬で改善するという方法を取る医師もいるようです。

ご存知のように赤ニキビは適切な治療をしないと化膿して黄ニキビになったり、潰れると瘢痕を残したりすることもある、ニキビの中では重症に分類されるもの。

早めの対応が何よりも大切なのです。

こうしたニキビには、皮膚科では「リンデロンvg軟膏」が処方されることがほとんど。

この軟膏はゲンタマイシンとベタメタゾンという2種類のステロイドが配合されています。

ゲンタマイシンは化膿どめのゲンタシン軟膏でもおなじみの抗生物質。殺菌性があり、ニキビの原因菌であるアクネ菌にも効果的です。

もう一つのベタメタゾンは抗炎症作用があり、特に炎症を起こしている赤ニキビの症状を抑える働きがあります。

使用法は朝晩の洗顔後に薄くニキビの部分に塗るだけ。その際、すり込むように圧迫しないようにしましょう。必要以上にニキビに刺激を与えるのは、かえって悪化を招くことになりかねません。

ちなみにステロイドにはその強さに応じて「非常に強い」1群から「非常に弱い」5郡まで5段階に分類されますが、リンデロンvg軟膏はこのうち3群「強い」にあたります。

そのため、長期間の使用には向いていません。症状を抑える目的ではありますが、約1~2週間を目安として、効果があまり見られない場合には他の方法に切り替えることが多いようです。強い分即効性もあるので、もし合っていれば2、3日のうちに症状が改善されるからです。

余談ですが、筆者は以前外耳炎で耳鼻咽喉科にかかるとこの「リンデロンvg軟膏」を処方されていました。耳がかゆくて耳かきや綿棒で掻きすぎて傷がつき、化膿してしまったのです。いわゆる「耳だれ」が起こり、耳が詰まってしまうこともしばしばでした。しかし、この薬を1、2回塗ると劇的によくなったことを覚えています。

あまり自慢できる話ではありませんが、炎症や化膿を抑える効果のほどは確かだと思います。

弱いステロイドであれば、市販の湿疹や虫さされの薬(軟膏やクリーム)にも配合されていますが、素人判断で使うのは避けた方がよいでしょう。

いくら強いものではないと言っても、ステロイドを常用すると肌が薄くなったり逆に炎症や肌荒れを起こすなどの副作用も心配されるからです。

大切なのはむやみに敬遠したり乱用したりしないこと。ステロイドは正しく使えば充分な効果が得られる薬であると認識しましょう。

ニキビ痕に効果を発揮するステロイド

一方、ニキビ痕に効果を発揮するステロイドもあります。

「ケナコルト」という注射薬がそれ。

ニキビ痕の中でも、「瘢痕性肥厚」と呼ばれるケロイド状やしこりのように硬く盛り上がってしまったものに直接注射することで改善が期待できるとされています。

炎症を抑える他、毛細血管や過剰に生成された線維を委縮させる働きがあり、盛り上がったニキビ痕を縮小してくれるのです。

正しく行えば数日で炎症が治まって腫れが引いてくるという即効性と、健康保険が適用されるため費用が抑えられるという点が魅力ですね。

1ヶ月に1回、経過を観ながらの5~10回の局所注射が望ましいとされています。

しかし、医師の経験や技術がその結果を左右するとことから、その選択には充分注意しなくてはなりません。

薬剤の量が適切でないとかえって血管が拡張したり、皮膚のへこみが起こることがあるからです。

まとめ

繰り返しますが、ステロイドは決して悪いものではありません。

アトピー性皮膚炎などで長期間の使用が必要な人は別ですが、ニキビの治療に使う程度であればむしろ効果的なのです。心配であれば医師に説明を求め、納得した上で治療してもらうようにしましょう。

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