お肌に優しい?「無添加化粧品」とは

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「無添加化粧品」というと、「化学成分が入っていない」「肌によさそう」といったイメージがありますよね。

肌荒れやニキビに悩まされると、「化粧品がよくないのではないか」と試してみる人も多いようです。

しかし、市販の化粧品はニキビや敏感肌によくない、無添加化粧品なら何でも肌に優しいと決めつけるのは早計に過ぎるでしょう。

実際のところ、「無添加化粧品」とはどのようなものなのでしょうか。

 

無添加化粧品、何が「無添加」?

一般的に「無添加化粧品」と呼ばれるのは、「旧指定成分」が入っていないものです。

旧指定成分とは1980年、厚生省(現・厚生労働省)によって告示された、102種の原料に香料を加えた103種の成分のこと。

人によってアレルギーなどの皮膚トラブルを起こす恐れがあるとして、化粧品に使用する場合は容器や箱にその旨を表示することが義務づけられていました。

代表的なものに、界面活性剤の塩化ラウリルトリメチルアンモニウムや酵素類の塩化リゾチームなどがあります。

現在では全成分を表示することになっていますが、旧指定成分が入っていないというだけで「無添加」を名乗っている化粧品も少なくないということは知っておくべきでしょう。

 

パラベンは悪いもの?

筆者も20代の半ば、いわゆる女性の「お肌の曲がり角」の頃に突然肌荒れがひどくなった経験があります。

皮膚科に行こうが薬を飲もうがまったくよくならず、かぶれとかゆみでメイクもできない時期が数カ月続き、本当に困りました。

そんな時、やはり頼ったのが「無添加化粧品」です。

旧指定成分だけでなく、パラベンや香料を含んでいない自然派化粧品という謳い文句だったのを覚えています。

これが劇的に効きました。まるで歌舞伎の隈取りのように、頬にくっきりできたかぶれが一晩で治まり、しこっていた部分も柔らかくなったのです。

使い始めて一ヶ月の間に皮がむけてきて、痕を残すことなくキレイに回復した時の嬉しさは飛び上がるほどでした。

それはよかったのですが、ここで筆者には強固な思い込みができてしまいました。根拠もないのに「パラベンが入っている化粧品はよくない」「市販の化粧品は使えない」と決めつけて、一切使わないようになってしまったのです。

数年後、一般的な化粧品を恐る恐るつけてみたら何ともなく、拍子抜けしましたが…。

パラベンにアレルギーがあるかどうか検査もせず、悪者扱いしてしまったのは、無添加化粧品に配合されていない(ということになっている)ことと、「防腐剤」という役割のためではないかと今では思っています。

 

パラベンに対する正しい理解

パラベンはパラオキシ安息香酸エステルという有機化合物群で、化粧品を始め食品や医薬品に使用される場合にこのように表示されます。

酸素や細菌に触れることで起こる腐敗を防ぐ効果があり、品質を安定させるのに欠かせません。また、低刺激性で肌にもほとんど影響を与えないとされています。

敏感肌用の化粧品などには「パラベンフリー」を謳っているものがありますが、実はパラベンが入っていない方がその安全性が心配されることを知っておいてください。

例えば、完全な無菌状態で製造され、パラベンが添加されない状態で密封される化粧品があるとします。

製造元から出荷されて、消費者の手元に届いた時はそのままで変化はありませんよね。

ところが、一旦開封してしまうとそうはいきません。いくらフタをすぐに閉めたり必要な分だけを取り出すようにしても空気中や手には目には見えませんがたくさんの細菌が存在しているからです。

食べ物の場合、鮮度を保つのは生鮮食品は2~3日、冷蔵庫に入れても一週間が限度ですよね。それは化粧品でも同じです。

化粧品に含まれる、肌によいとされる美容成分や水分は細菌にとっては増殖を促すエサとなりますし、通常常温保存ですからその点でも好都合。

一回ずつ使い切るのでもなければ、パラベンが添付されていない化粧品はたちまち腐敗が始まってしまうでしょう。

変質した化粧品を肌につけたらどうなるか、想像がつきますよね。

敏感肌やニキビ肌には、むしろパラベンを配合された化粧品の方が安心して使えると言えるのではないでしょうか。

また、パラベンが入っていないだけで、他の防腐剤が使用されている「パラベンフリー」化粧品もたくさんあります。一般に流通している以上、何らかの防腐剤は配合されていると考えた方がよいでしょう。

 

では、自然派化粧品とは?

「無添加」と並んで、近年増えてきているのが自然派化粧品。

植物由来の成分を使用していることから、やはり肌に優しいような感じがしますよね。

ところが、こちらも現行の薬事法で明確に定義されているわけではないため、少しでも植物成分が入っていれば「自然派」を名乗ることができるという落とし穴があります。

また、キャリーオーバーといって、成分の抽出過程や長期保存目的で表示成分以外のものが使用されていることもあるようです。

こうなると何を信用すればいいのかわからなくなってきますが、まずは「無添加」「自然派」だから安心・安全、市販品はよくないという思い込みを外してみてはいかがでしょうか。

確かに有名な化粧品メーカーから発売されている製品は、石油成分を使用しています。

仕上がりを美しくする、肌への密着度を高めたり発色を鮮やかにするといった効果を得るには必要ですし、製品の状態を安定させるためにも不可欠なのです。

もちろん、「キレイになるためには肌に負担がかかるのは仕方ない」と言うわけではありません。

きちんとした開発施設でさまざまなテストが繰り返され、効果や肌に与える影響など一定条件をクリアしたものだけが世に出ていると考えれば、やみくもに「よくない」と避けなくてもよいのではないでしょうか。

実際、「無添加」「自然派」の化粧品や植物由来の成分でも、合わない人はトラブルが起きることがあるのです。

どんな優れた、あるいは肌によいとされる美容成分が含まれていても、自分の肌に合わなければ何の意味もないですよね。重要なのは「自分にとってよいか悪いか」ということ。

一度肌が荒れただけで「自分は敏感肌」「市販品はよくない」と決めつけず、原因が他にないか見直してみることも大切です。

その上でもし肌に合わないと感じたら表示成分を細部までチェックしてみる、気になる成分はメーカーや開発者に問い合わせるなど、自分なりに納得がいくまで調べてみるのもよいでしょう。

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