お肌の基本構造とターンオーバーの意味を解説

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皮膚は体重のおよそ7%を占める、人間の体の中で最大の器官です。

筋肉や骨、血管、臓器をまんべんなく覆い、外的刺激や衝撃から保護するほか、体温の調節や感覚器としての役割も担っています。

表面から順に、表皮・真皮・皮下組織の三層に分けられ、表皮はさらに細かく積み重なっています

美しい肌を作るためにはその構造についても知っておきたいもの。

「何となくだけど知ってる」と言う人も、この機会に再確認しておいてくださいね。

 

お肌の基本構造

表皮

表皮はわずか0.2~0.7ミリの厚さに角質層・透明層など5つの層が重なる肌の表面の部分です。

乾燥肌・脂性肌などの肌質やかぶれ・ニキビといったトラブルにも関係が深く、美容の面でも重要と言えるでしょう。

 

角質層

皮膚のいちばん外側にあたる部分で、厚さは0.02ミリほどしかありませんが、細胞の死骸(角質細胞)が15~40層にも重なって皮膚を保護し、潤いを保つ働きがあります。

よく例えられるのがレンガを積んだような状態。その間を細胞間脂質(セラミド)が埋めることで外部から細菌やホコリなどの異物が入りにくい構造になっています。

また、通常10~20%の水分を含み、皮脂と混ざり合って皮脂膜と呼ばれる天然のバリアを形成しています。

 

もう少し詳しく見てみましょう。

この角質層の主な成分はケラチンというタンパク質です。髪の毛や爪と同じものですが、こちらは水に濡れると柔らかくなり、脂質を多く含むため、特に「ソフトケラチン」と言われています。

一定の周期で生成と剥離が繰り返される「ターンオーバー」によって、最終的には垢となってはがれ落ちます。

このサイクルが正常に行われていれば、皮脂と水分のバランスが保たれ、肌トラブルも起こりにくいとされています。

角質細胞同士を繋ぎ合せる働きをしているのが細胞間脂質。セラミドという名前の方がおなじみかもしれませんね。

セラミドは細胞間脂質のおよそ60%を占める重要な成分。

水に溶けない性質を持っており、肌の水分が必要以上に流れ出してしまうのを防いでいます。いわば皮脂膜同様、肌のバリア機能の要なのです。

しかし、乾燥や紫外線、お手入れ不足などで水分が蒸発してしまうと、このセラミドも一緒に減少してしまいます。また、汚れをしっかり落とそうと熱いお湯や洗浄力の強すぎる洗顔料を使うのもよくありません

肌が乾燥気味の人はセラミドが配合された基礎化粧品を使うことをお勧めします

角質細胞にはこの他、アミノ酸や尿素から成る天然保湿成分(Natural Moisturizing Factor:NMF)が含まれており、水分の保持に役立っています。

 

透明層

淡明層とも呼ばれる無色の無核細胞層で、手の平と足の裏にしか存在しません。位置的には角質層と顆粒層の間になります。

 

顆粒層

肌の乾燥を防止するのがこの顆粒層。2~3層ほどしかありませんが、扁平な細胞(顆粒細胞)が連なり、皮膚防止膜を形成しています。

この顆粒細胞に含まれる「ケラトヒアリン」という下流には紫外線を跳ね返す働きがあるとされているだけでなく、角化に伴い「フィラグリン」と呼ばれるタンパク質に変化していきます。

最終的にはNMFの主成分となることからも、顆粒層が美肌のキーポイントであることがわかりますね。

 

有棘層

大型で核を持つ多角細胞が5~10層重なってできている、表皮の中で最も厚い層です。

細胞同士が棘のような腕でしっかりと繋がり、表皮の強度を高めている他、その間を流れるリンパ液によって栄養補給が行われています。

また、メラニンが核の上に乗っているのですが、これは紫外線による刺激から核を守るため。有棘細胞はここでバリア機能を身につけ、次の顆粒層へと上がっていくのです。

もう一つ、人間の体に備わっている免疫機能と大きな関わりがあるのもこの有棘層。

アレルギー反応に代表される免疫機能は、簡単に言えば「異物を排除する働き」です。

外部から侵入してきたものを人体にとって有害かどうかを判断するランゲルハンス細胞もこの有棘層に存在しています。

 

基底層

その名のとおり、表皮のいちばん底部にあたる層で、細胞分裂を絶えず行って新しい細胞(娘細胞)を生み出しています。

一つの基底細胞が分裂して二つになると、一つは有棘層へ押し上げられますが、もう一つは基底層に留まってさらに分裂を繰り返すのです。

基底細胞の間には、6個に1個の割合で色素母細胞(メラノサイト)があります。

シミやそばかすの原因となることでとかく嫌われがちなメラニンを生成する細胞ですが、本来は肌を守るために必要なもの。過度の紫外線を浴びるとメラニンを作って肌の色を濃くし、ダメージを受けにくくする働きがあるのです。

 

ターンオーバーとは

基底層で生まれた新しい細胞が徐々に表面に押し上げられていき、垢(老廃物)となってはがれ落ちるまでの一連の流れを「ターンオーバー」と言います

健康な肌のキーワードとして、現在ではすっかり定着していますよね。

日焼けやケガなどで肌が傷ついても、時間の経過とともにかさぶたができ、それが取れた後は元のキレイな状態に戻るのもこのターンオーバーの働きによるものです。

これまでは28日周期が定説でしたが、近年は紫外線や気温などの環境や食生活の影響、そして加齢などによって35~45日かかるようになったと言われています。

年齢とともにケガが治りにくくなるのもこのサイクルが長くなるため。

去年の夏の日焼けが冬になってもさめない…なんて場合は、ターンオーバーの機能が衰え始めていると考えた方がよいでしょう。

だからといって、「早ければ早いほどいい」と考えるのは短絡的です。

くすみ改善のためにとピーリングやパックなどをしすぎると、肌にとって必要な角質まで取れてしまい、未熟な細胞が表面に出てくることになります

こうした細胞は、押し上げられるに従って備わってくる、抵抗力やバリア機能など本来の機能が不充分なため、結果的にトラブルを招きやすくなってしまうのです。

基本は保湿をしっかり行い、過度の負荷をかけないこと

そしてターンオーバーの周期を適正に整えることです

日頃の生活習慣や食事の内容も反映されますから、「肌の調子が今イチ」と言う人はエステや高価な化粧品に頼るよりもまず自身の生活を振り返ってみるとよいでしょう。

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